宝塚雪組『ルパン三世 王妃の首飾りを追え/ファンシー・ガイ』感想

早霧せいなのトップお披露目公演、宝塚雪組『ルパン三世 王妃の首飾りを追え/ファンシー・ガイ』を見てきました。

小柳先生脚本の舞台を見るのは、スカイステージでたまたま見た『かもめ』『Shall we dance?』以来三つ目。
(『かもめ』は今知りました)
『Shall we dance?』は面白かったですし、ルパンも期待して臨みました。

以下、ネタバレを含みます。

冒頭は、アニメでもおきまりの一つ、「盗みに入って追い掛けられているパターン」。
すぐさま物語に入りやすいのは良いところですが、少々バタバタしている印象。
走り回るルパン一味と、追うとっつぁんは再現しているとは思うんですが、もう少し、上から下から出てくるのもありかなと。
昔のヅカでは、張り出し席のようなものがあり、そこに出てくるパターンとかあった気がしますが…。
今回はオーケストラボックスから出てくるシーンはあったものの、それ、グスタフⅢ世で七海さんが出てきたばっかりだし…。
客席から見えないわけにはいかないでしょうけど、たとえば…、警官達が客席側から入ってきてルパンを探すようなことをしてもよかったかなと思いました。(実は期待してた)
ルパンは神出鬼没ですし、舞台の上だけで警官もルパンもめまぐるしく動いてると、あまり「大捕物」な感じがしないんですよね。とはいえ、私は昭和のヅカに慣れ親しんでるので、「それは、昭和の演出だ」と言われればそれまでですが。
兎に角、この「バタバタ感」でちょっと引いてしまったのでした。

とはいえ、18世紀フランスに飛ばされてからの話は、かなり良い感じです。
小柳先生が言っていた「宝塚の得意とする18世紀フランスに、ルパン達が迷い込んだ」というのがうまく出ていました。
ベースは「ベルサイユのばら フェルゼンとマリー・アントワネット編」ですね。
ポリニャック夫人、ノワイユ夫人、メルシー伯爵とおなじみの面子が勢揃い。
さすがに、アントワネットのお人形はいませんでしたが。
言わば、「ベルサイユのばら」のパラレルワールドですね。

フェルゼンは、スエーデンに帰ってしまっているところに、ルパンが迷いこむという感じです。
ですから、トップ二人がカップルになることはありませんが(マリーにはフェルゼンがいますし、それ以前にルイ16世がいますから)、マリーをルパンが町に連れ出すシーンは、ほのぼのカップル風でしたし、ルパン三世とその物語のヒロインって毎回「淡い恋」になりがちなので、そんな感じでした。

今回、ルパンは首飾りを取りに来て過去に飛ばされてしまうわけで、当然「首飾りも手に入れたいけど、現代にも帰らねば」という二重の目標があるわけです。
しかし、最初のタイムスリップでは、ルパンは迷うことなくマリー・アントワネットを助けるために、「8年後」を選びます。
こういうとこ、ルパンらしいですよね。
早霧さんのルパンは、アニメのルパンのちょっと照れ屋なところも、自分のことより誰かのために動いてしまうところも再現していました。
8年後の表し方も、面白かったです。
場面転換し、「シトワイアン、行こう!」の声。これでヅカオタには、目の前で行われているものが「フランス革命」であり「バスチーユ襲撃」だとわかるわけです。勿論、その後の台詞で「8年」というのがわかるようにもなっていますが。

それにしても、お披露目公演で周りのみんなと一致団結して何かと戦うというようなのは、お披露目公演としてはよくある設定ですが、団結する相手が「詐欺師一団」だというのが、ヅカのお披露目公演としては珍しいと思いました。
今回は、銭形警部演じる夢野さんの退団公演ということで、餞と思われるシーンもありました。
ルパンの計画が成功したのは、銭形警部のおかげとも言えますし、いい役だったと思います。
次元も不二子も、思った以上にそのまんまでしたし、五右衛門も「またつまらぬものを切ってしまった」という台詞もありましたし、出だしはイマイチに感じたものの、話が進むにつれ、引き込まれ、最後までずっと笑いっぱなしの楽しい舞台でした。

一緒に初観劇した娘は「ルパンとマリーが一緒になれないのは残念」だったそうですが。
でも、すっかり楽しめたようです。

そして、「ファンシー・ガイ」ですが、こちらはいかにも三木先生らしい作品でした。
三木先生、ホント60-70年代の、ジョン・トラボルタが出てきそうなの好きですよね。「グリース」的な。
「Too Hot!」にも似たようなシーンがあったなあと思いました。
雪組をみたのは、朝海ひかるさんの退団公演以来でしたが、若手の男役に恵まれてるなあと実感しました。
名前まではわからないのですが、プレスリー役の人でカッコイイ人が何人もいました。パンフをみると、うち一人は五右衛門役でもある、彩凪翔さんだと解りました。それと、永遠輝せあさんですね。
雪組の若手中心の舞台があれば、見に行ってみたいと思いました。


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Tomoko

Tomoko

Morten Harket.jp (http://www.morten-harket.jp/)の中の人。 二児の母で、フルタイム勤務しつつ、ノルウェー語の勉強をしています。 現在、NORLAからサポートを受け、ノルウェー語の詩の翻訳を実施中。

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